平成28年度 公立高校入試結果

県教委から平成28年度の公立高校入試結果が発表になりました。

無題1

理科の平均点が10点以上も前後期ともに下がっていますが、合計点はほぼ例年通りの結果でした。

 

そして、過去のブログでも書きましたが、国語と数学の出題バランスの悪さも例年通りでした。

過去のブログ①(数学について)

過去のブログ②(国語について)

無題2

 

上のグラフは前期選抜における教科ごとの得点分布ですが、国語と数学は1極集中になっていることが分かると思います。また、数学では80点以上の高得点者の割合が、他教科に比べて著しく低くなっています。正解率10%未満の問題が今年も25点分ありましたから、当然と言えば当然の結果なのですが… ところで、正答率1.0%の問題と97.8%の問題が同じ配点(5点)なのはおかしいと思いませんか? 難易度のバランスを取るのが難しいのならば、せめて配点だけでも工夫してもらいたいところです。

 

ということで、この傾向が今後も続くのであれば、

国語→とにかく問題数が多いので、読むスピードと時間配分を身につけることが重要です。また、「作文が書けなかった」ということがないように(配点12点のため、白紙はダメージ大)、日頃から新聞等を通じて身近な話題に触れ、自分の意見を言えるようにしておくことも必要です。

数学→志望校にもよりますが、基本的には「攻める」(高得点を狙う)よりも、「守る」(ミスをしない)点の取り方が重要です。基本小問での取りこぼしをしないよう、基本パターンの徹底演習が必要です。

 

英語・理科・社会は得点分布が広くなっています。つまり、得意・不得意が点数に表れるということです。したがって、「国語と数学は大きなミスをしないことを目標とし、残りの3教科で勝負」というのが最近の千葉県公立高校入試の必勝パターンです。

 

 

現中3生の後期選抜

4月27日(水)にテスト会社主催の高校入試説明会に参加してきました。

 

話の内容は「前期選抜受験者は39,578名で昨年度より268名増加し…」といった総括的なことで、ここで書くような個々の事例はありませんでしたが、現中3生の後期選抜日程についての注意点を教えていただきました。

 

昨年(現高1)の後期選抜

出願:2/22(月)と23(火) ※23(火)の受付は正午まで

新聞での倍率発表:2/24(水)

志願変更:2/24(水)と25(木)

 

今年(現中3)の後期選抜

出願:2/23(木) ※受付は16:30まで?

新聞での倍率発表:2/24(金)の朝刊は無理?

志願変更:2/24(金)と27(月)

 

ポイントを太斜字で表しましたが、今までは出願2日目の締切が正午だったため、「集計→報道機関への告知→翌日朝刊での倍率発表」が可能だったのですが、今年は出願が1日しかなく、そうなると締切は16:30までであろうから翌日朝刊での倍率発表が難しくなり、志願変更の1日目が意味をなさなくなる可能性がある、というものです。

 

県教委に確認したところ詳細は未定とのことで、テスト会社は、倍率は県教委のホームページにて発表ということもありえると推測していました。

 

昨年度の前期選抜出願2日目の締め切りは16:00までだったのですが、問題なく翌日朝刊にて倍率が出ていたはずなので、今年の後期出願が16:30まででも特に問題なさそうですが、確かにちょっと気になる話でした。

 

 

千葉学習塾協同組合の外房支部会に参加してきました

無題

3月18日(金)に千葉学習塾協同組合の外房支部会に参加してきました。

 

まずは、先月の支部会と同様に入試情報の交換です。今月の支部会では自己採点結果だけでなく、開示情報の情報交換もありましたので、より正確な入試データが入手できました。

 

開示情報というのは、実際の入試点数のことです。千葉県公立高入試では、受験票を持参して受験高校の事務室に行けば、5教科の点数と調査書の開示を受けることができます。残念ながら、前期選抜2日目(自己表現等)の結果は開示されませんが、調査書はコピー代を支払えばコピーしてもらえます。(保護者の方が開示を受ける場合は受験票の他に受験生との続柄を証明するものが必要になります)

 

今後の進路指導に役立てていきたいと思います。

 

入試情報交換の後は、LED電灯のことやホームページのことなど、塾運営に関する情報交換もしてきました。小高進学塾の蛍光灯は規格が古く、切れたら機材ごと交換しようと思っていたので、とても参考になる話を聞くことができました。

 

 

二次募集

今年の公立高校の二次募集で気になることがあります。

 

(後期選抜の問題や合否発表については、特にトピックスもなかったのでブログは書きませんでした)

 

千葉工業高校は今年から前期募集枠100%になった専門学科の高校です。前期選抜にて定員数と同数の合格者を出し、無事全員から入学確約書が提出されました。したがって後期選抜は実施されなかったのですが、何と二次募集を実施しているのです。情報技術科と理数工学科で各1名の募集があったのですが、一体何があったのでしょう?

 

ちなみに、前期選抜にて定員数を上回る合格者を出しておけば避けられた事態だと思われます。今年は高校によって対応が割れましたが、おそらく来年度からは合格者を若干名多く出す高校が増えるのではないでしょうか。(前期選抜募集枠が100%の専門学科に限った話です)

 

それから、外房地域で二次募集が多いのも気がかりです。茂原樟陽高校2名、大多喜高校11名、大原高校57名(!)の二次募集がありました。やっぱり子どもが減っているんですね… 現状、県としては「活力ある教育活動を展開するためには一定限の学級規模(4クラス160名)が必要である」という立場ですので、二次募集が続くようだと大多喜高校と大原高校は統合の可能性が出てくるかもしれませんね。大網地域でも、九十九里高校はここ数年定員ぎりぎりの入試が続いているので心配です。(九十九里高校はすでに例外的に3クラス規模での学校運営となっています)

 

 

後期選抜出願

2月19日(金)に後期選抜の募集人員数が発表になりました。

 

やっぱり入学確約書未提出者(内定辞退者)がいましたね。県内で計22名が前期合格を辞退しました。私立高への進学を決めたケースと単なる確約書の出し忘れという2つの可能性が考えられます。(ちなみに、どちらの場合でも彼らは後期選抜に出願することはできません)

 

前期選抜募集枠100%の専門学科でも内定辞退者がいました。一宮商業高校です。ただし、一宮商業高校は3名定員数を上回って合格者を出してあったので、後期選抜は実施されません。

 

 

千葉学習塾協同組合の外房支部会

無題

2月19日(金)に千葉学習塾協同組合の外房支部会があり、17日(水)の前期選抜の合否結果を持ち寄って情報交換をしてきました。

 

自己採点ですので誤差はありますが、情報を持ち寄ることで各高校のボーダーラインが大体見えてきます。もし、自塾に前期選抜不合格者がいた場合は、その理由(5科の点数が足りなかったのか、内申点が足らなかったのか、それとも2日目の自己表現等の検査の出来が良くなかったのか等)が掴めるわけです。そして、これは後期選抜の受験校を決める際の有益な情報となります。

 

もちろん、個人情報は伏せた上で情報交換をしますのでご安心ください。

 

他にも、多数の役立つ入試情報を入手することができました。例えば、壁掛け時計の有無についてですが、最近では壁掛け時計をあえて外す高校が増えているようです。全ての時計をチャイムに合わせることが煩わしかったり、机の位置によって見えづらかった等のクレームを防止したりする意図があるのだと思います。調査できた範囲では、

壁掛け時計なし…千葉南高校・成東高校・東金高校・東金商業高校・大網高校・長生高校

壁掛け時計あり…茂原高校

という結果でした。

 

ちなみに私は、大学入試の際に腕時計が止まったことがあります。試験後、駅に向かう途中で気が付きました。あと数時間ずれていたらと思うと今でもぞっとします。(それ以来、検定や試験の際は時計を2つ持つようにしています)

 

 

前期選抜の合格発表

2月17日(水)は前期選抜の合格発表日でした。

 

入試日のブログでも書きましたが、今年は開塾一年目(9月開塾)のため、塾生に受験生はいません。塾講師生活20年にして、初めて全く緊張しない合格発表日となりました。

 

という訳で、私が気になったのは専門学科の合格者数です。

 

昨年までは、前期選抜において定員数を上回る合格者を出すことはできませんでした。しかし、今年は前期選抜枠を100%にした専門学科が多数存在します。もし、これらの学科で定員数と合格者数を同数にすると、入学辞退者が出た場合に欠員が生じ、定員が1名でも後期選抜を実施しなければなりません。それを防ぐためには定員数を若干上回る合格者を出しておく必要があるのですが、果たしてどうなったでしょうか?

 

定員数を上回る合格者を出した近隣高校

千葉商業・成田国際(国際)・東金商業・大網・茂原樟陽(生産技術と緑地計画)・一宮商業

定員数と合格者数が同数だった近隣高校

千葉工業・京葉工業・幕張総合(看護)・八街・東金(国際)

 

定員と受験者数がほぼ同数の学科と定員割れをしている学科、および多数の不合格者を出した成東(理数)は除きましたが、見事に高校によって対応が分かれましたね。

 

なお、この話は、前期募集枠100%の専門学科についてのものです。普通科のように前期選抜募集枠が100%未満の高校は、今年も定員数を超える合格者を出すことはできません。実際にそのような高校はありませんでした。

 

 

前期選抜

2月9日(火)は前期選抜一日目でした。毎年、「時間配分で失敗してないか」「ケアレスミスをしてないか」等、生徒のことを考えると心配で仕方がない一日です。しかし、今年は開塾一年目(しかも夏期講習後の開塾)だったので、小高進学塾に受験生はいません。塾講師を20年以上していますが、こんなに落ち着いて入試日を迎えられたのは初めてです。

 

さて、入試問題ですが、全体的には例年通りと言えるでしょう。

 

国語…問題構成は相変わらずです(詳しくは過去のブログをご覧ください)。行書における筆順変化が出題されていました。今までには見られない出題ですね。漢字は「試金石」と「照れる」の予想が的中しました。(受験生はいませんが、予想だけはしていたのです)

数学…難易度および問題構成に変更はありません。得点差はつきにくいでしょう(詳しくは過去のブログをご覧ください)。ところで、相変わらず作図は難問ですね。特に今年はここ10年で一番難しかったかも。

英語…出題傾向は従来通りです。大問4ではcontinueやcommunicationなどつづりを間違えやすい英単語が出題されていました。

理科・社会…こちらも出題傾向は従来通りです。資料を分析する問題や記述問題などの出来が得点に影響しそうですが、進学校では高得点勝負になりそうです。

 

おそらく今年も平均は5科250点ぐらいでしょう。

 

 

来年度の入試日程が発表になりました

12月16日(水)に県教委より平成29年度(現中2生の入試)の入試日程が発表になりました。

 

平成29年2月3日(金)~6日(月) 前期選抜願書提出

平成29年2月13日(月)~14日(火) 前期選抜検査日

平成29年2月20日(月) 前期選抜合格発表

平成29年2月20日(月)~22日(水) 入学確約書提出

平成29年2月23日(木) 後期選抜願書提出

平成29年2月24日(金)~27日(月) 後期選抜志願変更

平成29年3月2日(木) 後期選抜検査日

平成29年3月7日(火) 後期選抜合格発表

 

注意点があります。前期選抜合格発表と後期選抜出願との間は2日しかないということです。あらかじめ、もし万が一のときは後期選抜をどうするのかを考えておく必要があります。前期選抜では各高校が独自の判定方法で合否を決めており、検査日2日目の「自己表現」や「面接」などに大きな加点(近隣では土気高校100点、東金高校30点、九十九里高校120点等)をしているところもあります。その結果、学力検査の結果が良くとも残念ながら不合格になる可能性があるのです。ショックのあまり感情的な判断で志望校を変更したり、併願の私立高校への進学を決めたりしないで欲しいと思います。そのためにも事前の想定が重要だと思うのです。

 

ところで、現中3生の入試より専門学科の募集定員枠が前期選抜100%となるのに、前期選抜で志願変更を受け付けないのは、受験生がかわいそうであり、不公平に思います。例えば、大網白里市から商業科高校へ進学する場合ですが、千葉商業高校、東金商業高校、一宮商業高校の3つの選択肢があります。これらの高校では定員割れをしない限りは後期選抜が実施されないのですから、出願倍率を見てから最終受験校を決めたいと思うのは当然です。日程的に厳しいことは分かりますが、子どもたちのためにも県教委には再考して欲しいと思います。

 

ちなみに京都府の公立高校受験では、中期選抜(千葉県の後期選抜に相当)において、第一志望はA高校、第二志望はB高校という出願ができるそうです。定員の90%までは第一志望者のみでの合否判定、残りの10%は第一志望不合格者と第二志望者を合わせての合否判定と、やや複雑な制度ですが、志願変更ができないのなら、こういった新制度を導入してもよいのではないでしょうか。

 

 

千葉学習塾協同組合の特別研修に参加しました

12月11日(金)に千葉学習塾協同組合の特別研修に参加してきました。

 

テーマは「千葉県公立高校入試の国語問題分析」で、テスト会社で問題作成をされている方の講演でした。

 

以前、数学の難易度の偏りについて書きましたが、国語もあまりいい入試問題とは言えませんね。ボリュームがありすぎるんです。従来の「漢字・文法・小説・説明文・古典」に「作文」と「聞き取り」が加わったために、今では、5教科の中で一番時間配分が難しい教科になってしまいました。また、記述問題に癖があるのも特徴です。おそらく、採点のしやすさを優先しているのだと思いますが、字数や指定語句に無理があり、答えるべき内容が分かっていても、それを答案にまとめるのが難しくなっています。つまり、「まず模範解答ありき」で、字数や指定語句という制限によって模範解答以外の記述を許さないような出題なのです。字数が多ければいくらでも調整できますが、10~20字程度では、はっきり言ってひらめき勝負です。正直に言いますと、大人の私でも解答に苦労する問題もあります。もはや、読解力なんて関係ないんですよね。(もちろん、一部の問題ですが)

 

今日の講演でも、大体同じようなお話をお伺いすることができました。私の認識は間違ってなかったんですね。

 

質疑応答では、各塾での国語に関する塾生へのアドバイスや自己採点のやり方等を聞くことができました。

 

今後の指導に役立てていきたいと思います。