4月15日(金)に千葉学習塾協同組合の定例研修会に参加してきました。
テーマは「生き残る塾として、今すべきこと」
全国大手塾の取り組み事例の紹介だったので、開塾したばかりの小高進学塾に直結するようなお話はありませんでしたが、いろいろと興味深い内容でした。
その中で気になったのは、大手進学塾の多くが導入しているという「映像授業」です。私は、映像授業をメインとする塾のあり方には否定的です。なぜなら、授業は一期一会のものだと考えるからです。
私は、常に生徒の理解度を伺いながら授業を進めます。生徒の表情に気になるところがあれば、発問をしたり、演習の様子を丁寧に観察したりします。そして復習が必要と判断した場合は、前回授業の内容や、ときには前学年内容の復習を授業に差し込みます。
ですから、毎回ではありませんが、同じ単元でも去年の授業と今年の授業は細部が異なったものになりますし、同じ問題でもAさんへの解説とBさんへの解説はやはり微妙に違うものになります。その意味で授業は一期一会だと思うのです。
こういうことが可能なのは、生の授業だからです。
もう一点、気になるのが演習後の解説についてです。タブレットなどを利用して「タップひとつで分かりやすい解説がいつでも聞ける」ということが売り文句であり、魅力だと思うのですが、これは生徒が自らの力で問題解決を図ろうとする機会を失わせることにもなる諸刃の剣だと思います。
私は、宿題で間違えたら必ず見直しをするよう指導しています。授業でやったことを宿題としている訳ですから、授業内容を復習すれば基本的には自力で解決できるはずだからです。
また、数学では見直しをしてみたら単なる計算ミスだった、ということもあるはずです。大事なのは、自分のミスに「自ら気づく」ことです。こういう経験がテストでの見直しに生かされるのだと思います。
もちろん、これらはタブレット端末での解説視聴に比べ、はるかに時間がかかる作業です。しかし、時間をかけたからこそ記憶に残るというメリットがあるのです。
タブレット等での学習は、いつでもどこでも手軽に解説を聞ける反面、安易にそれに頼るような使い方をすると、「自力で復習する機会」や「見直しの仕方を習得するチャンス」が奪われてしまいます。
映像授業は、テスト勉強会で同時に複数の質問が出たときや、どうしても定期的な通塾が難しい生徒さんをお預かりしたときなどの限られた場面でサブ的に利用するのは「あり」だと思いますが、これをメインで塾運営をするつもりは私にはありません。
私の考えは古いのかなぁ、と考えさせられた研修会でした。